お知らせ

日本の精神医学に望むこと

令和6年11月19日

シンセサイズ中部

代表 井上雄裕

精神医学に望むこと

2011年より、脳卒中、急性心筋梗塞、糖尿病に続き≪5大疾病≫に位置づけられた精神疾患について、

生涯において4人に1人が何らかのメンタル疾患にかかるとされる身近な病気であり

一旦罹患すると日常生活や社会性も失われかねず、自死にも至る場合も少なくない、

多くの患者が経済的困難に陥り、孤立し社会的弱者となってしまいます。

心の病とはつまり脳機能の不調であり、その理解が進んでいません。

誤解や偏見・差別が常態化しており

今現在、もっとも対応に迫られている最重要課題です。

私たちシンセサイズ中部は毎月の例会を通して、同じ精神疾患患者同志の

繋がりの中で一定の共通認識を持ちつつ、

日本の精神医学に足りていない部分をまとめてみたいと云うことで

提言させて頂きたいと思う次第です。

  1. 患者と医療を結ぶ連携機関の仕組み作り

そもそも精神疾患の多くは思春期に好発しますが、学校教育には約40年のブランクを経て

令和4年度より高校の保健体育のカリキュラムに加えられました。

永らく学校教育では教えられてこなかったという悲劇があります。

残念ですが中学校の授業には全く出て来ません。

統合失調症の発症ピーク年齢は14歳というデータもありますし、

教育そのものが現実と合っておらず、患者さんは

知識の全くない状況でこの疾患に陥ります。

学校教育で教えられて来なかったことが直接的に偏見・差別には

結びつくとは言えませんが、日本人はメンタル疾患に関して

無知であるとも言えるでしょう。

そう考えると私たち日本人は深く、これらの疾患について

学び直す必要があるのではないでしょうか。

それゆえなのか、精神科への受診は一般的にハードルが高く

馴染みがたいものという状況です。

たとえ4人に1人が罹り得る脳の病気であっても。

誰しもが普通に罹る得る病気であるのであり

病気への理解・啓発が進むためにも、患者と医療を

繋ぐ仕組みや役割を担う担当部署に創設が急務と考えます。

 2.精神科病棟入院患者と地域の福祉施設の連携機関の創設

WHO世界保健機構からの再三の勧告にも日本政府は応ずることもなく

日本の精神科入院患者数はダントツ一位の不名誉な記録を更新し続けております。

30万人とも言われる患者の多くは高齢化も相まって

病院で亡くなっています。

日本の多くの精神科単科病院は民間病院で

患者さんを多く長期に渡り入院させることによりその経営を支えながら

また患者さんも病院での生活に順応というある種の家畜化とも言える

哀しい現状に陥っております。

精神保健福祉士という国家資格を持ったいわゆるケースワーカーという

職種の担当部署がありますが、ドクターをトップとする

病院のヒエラルキーの中で患者を地域に帰すべき本来の役割は

形骸化至っており、患者さんは”施設症”とまで呼ばれております。

他方、意識と志を持った地域の福祉施設勤務の精神保健福祉士も

居られますが、病院勤務のPSW(精神保健福祉士)よりも

収入面でやや少なかったりでとても悩ましいのが現実です。

私立の精神科病院と地域の福祉施設の隔たりはとても大きく

患者・利用者さんは同じでも管理されている生活に順応している

生活が長ければ長いほど、地域での生活は現実的にはほぼ無いです。

ヒトとして生まれても

精神科病院で亡くなるヒトがこの日本では

日常であって良いのでしょうか。

人権、幸福追求権って

全ての日本人に与えられている

権利だったはずなのに、、、

即刻の入院患者と地域福祉施設の連携機関創設を求めます。